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米国の歯科医アムステルダムは、1992年に「インプラントについて自信をもっていえる事実は、今のところただ一つしかない。それは、インプラントは虫歯になる心配がないということだけである」述べています。インプラントの、問題点の一つは位置が変わらない(動かない)ことです。天然歯は、かみ合っている歯がない場合や、歯がすり減ると伸びだします。しかしインプラントは伸びだしません。そのため、天然歯は歯ぎしりなどですり減っても上下がかみ合わなくなることはありません。また、インプラントと天然歯が噛みあっている場合もインプラントは伸びだしませんが、相手の天然歯が伸びだすので、上下が当たらなくなることはありません。
ところがインプラントとインプラントが噛みあっている場合、上部構造(インプラントに被せた冠)がすり減ると上下が当たらなくなってしまいます (天然歯同士の咬み合せがある場合、咬み合わせの高さが天然歯で維持されるため)。これに対処するには、インプラントの上部構造に、フルジルコニアなどのすり減らない材料を使う、すり減った分盛り上げることのできる材料を使う、取り外しができるようにして、やりかえるといった方法をとるなどの対策が必要になります。これはインプラントの欠点の一つです。
さらに天然歯は噛むたびに30〜100ミクロン弱動くため歯がこすれあい、歯と歯の間がすり減って前方に移動するため動かないインプラントの前方に隙間ができてくることもよく知られた事実です。
また下記のポッセルトの本にあるように前歯が後退するならば、前歯に一本だけ埋入下インプラントは20年ぐらいすると前方に取り残される可能性があります。
※参考:クインテッセンスVol.12 No7/1993-1480
※歯のかみ合わせの咬耗に加えて、歯と歯の間がすり減ることで接触点とは対照的に接触面になります。親知らずから親知らずの歯列の長さは40歳で10mm短くなると計算されています。
ただし、この歯列の短縮は第一大臼歯の移動によるよりも上顎前歯の後退のためである可能性があります。(THE PHYSIOLOGY OF OCCLUSION AND REHABILITATION)第二版1968 22頁。
原文はこちら
In addition to occlusal
attrition, the proximal surfaces become worn so that eventually contact surfaces
arise in contradistinction to the contact point. It has been calculated
that the whole dental arch as measured from third molar to third molar is
generally diminished by about 10mm by the age of 40.
This shortening of the dental arch may be due to retrusion of the
upper incisors rather than to migration of the first molars.
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